日本大学馬術部

INTERVIEW

OB・OGインタビュー

INTERVIEW 01

無我夢中の4年間が自分を育ててくれた。

細野 茂之ヘッドコーチ

1993年卒

馬とともに歩んだ少年時代。

自分では覚えていないのですが、2、3歳の頃から父や祖父の前に乗せてもらったりして、物心がつく頃にはそばに馬がいるという環境でした。小学校に入ってからは放課後に馬の練習をするようになり、高学年から大会にも出場するようになったのですが、一番最初の試合はすごく緊張して、ビリに近い成績でした。悔しいところからのスタートでしたね。また、友達と遊ぶほうが楽しいなと思う時期もありました。 しかしだんだん乗馬の楽しさが分かるようになり、中学生になると練習や馬の世話も毎日自分からするようになっていきました。

日大馬術部での経験が自信になった。

高校でも馬術を続け、全日本や国体で入賞するようになりました。大学は当時獣医を目指していたので、獣医科もあり、なおかつ馬術が強いということで日本大学に入学しました。馬術部時代は学生寮で過ごしました。それまで親元で生活していて、いきなりの寮生活ですから、苦労はありましたね。朝早くから夜遅くまで練習や馬の世話をして、団体行動や規律も厳しかったので、1年生の間は毎日辞めたいと思っていました(笑)。
それでも競技成績がちゃんと出せると、やっていて良かったと思いましたし、馬術部を最後までやり通したという経験は、社会に出てから何事にも代えがたい自信になりました。
それと、同期は同じ釜の飯を食い、苦しい中を一緒に乗り切った仲ですから一生の友達になりますね。今でも良い友情関係を築けています。当時は無我夢中でしたが、今では楽しい思い出ばかりです。

フランス留学という決断。

卒業後は、馬専門の獣医になろうと考えていたのですが、日大の先輩で当時オリンピックに出られていた後藤浩二朗さんがフランスでトレーニングされていたのを見てうらやましく思い、いろいろな面を総合的に判断し、馬術をメインにやっていこうと決めました。
卒業の翌々年にはフランスへ馬術留学に行き、そこで恩師にもめぐり合い、一番最初に出場した国際大会では約90頭いる中で4位に入ることができました。当時はまだ日本人が本場の大会で入賞することが少なかったので、現地の方々に驚かれて、新聞で「恐るべし黄色人種!!」みたいに書かれましたね(笑)。
その後はとんとん拍子に96年のアトランタ、00年のシドニーと2回もオリンピックに出させていただき、アジア大会でメダルをいただいたりと、トータル7年間、フランスでは非常に幸せな時間を過ごすことができました。あのときの決断は間違ってなかった、本当によかった、と思っています。

知ろうという努力、探究心が大切。

ホームグラウンドを日本に戻してからは、競技にも出ていますが指導を中心に活動しています。フランス留学中も、シーズンオフになる冬の3カ月くらいは、実家の八王子乗馬倶楽部や日大で指導していました。
指導ではいつも「馬の気持ちを考えなさい」と言っています。馬は機械や道具ではなくパートナーですから。無理強いしてもだめだし、かといって言いなりでもいけない。
大切になるのはやはり、知ろうという努力や探究心だと思います。そういうことを考えられるかどうかで結果も変わりますし、理解できないと前には進めないですから。どなたを指導する上でも、そのために最善を尽くすことに変わりはありません。
その結果として、私の言葉に乗り手が応え、それが馬に伝わりハイパフォーマンスをする、そこまで全部完成したときというのは指導者冥利に尽きますね。

在校生・受験生へのメッセージ

日本大学というのは施設・馬・指導すべてにおいて日本のトップクラスですから、ここで学べるということは馬乗りとして幸せなことだと思います。若い人たちには、そういう環境で馬術に没頭できる時間を過ごしてほしいですね。一回しかない学生生活ですから、悔いのないように送ってもらいたい。日大にはそのための最高のフィールドが整っています。

細野 茂之1993年卒

1993年農獣医学部 獣医学科(現 生物資源科学部 獣医学科)卒業(獣医師免許取得)。八王子乗馬倶楽部ディレクター、日本馬術連盟 総合馬術本部 本部長、日本大学馬術部ヘッドコーチ 獣医師。日本を代表する総合馬術選手として96年アトランタ五輪、00年シドニー五輪総合馬術競技など数多くの国際試合に出場。02年プサンアジア大会 団体金メダル、04年全日本総合馬術大会優勝。北京オリンピックのコーチも務める。

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11 NOVEMBER

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