隴を得て蜀を望むよう
日本大学馬術部監督
諸岡 慶
日本中央競馬会馬事公苑で開催された、全日本学生馬術大会2024にて、3種目総合14連覇を達成することができました。この場を借りて、日頃より日本大学馬術部の活動にご理解くださり、ご協力いただいている皆さまに感謝申し上げます。
今大会を振り返りますと、障害馬術競技団体2位、馬場馬術競技団体優勝、総合馬術競技団体優勝と、個人での優勝はなし。3種目に全てにおいてあと一歩のところで個人優勝を逃した全日本学生でした。3種目総合こそ連覇を繋げられたものの、戦いは厳しさを強いられたものでした。この連覇の意味をよく考え、来年に繋がるものにしてほしいと思います。今大会の悔しさを来年に持ち越さぬよう、この期間に団結力を深め、気を引き締めてほしいと思います。
全日本学生という最重要試合において、まだ大学生の若い選手たちが100%の実力を発揮することが非常に困難であることは明確です。そのため、最重要試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、それまでの準備を怠らないこと、そして突然訪れるチャンスを確実に自分のものにすること、これを常々学生たちには伝えております。100%の実力を本番で発揮するために、自分たちは練習で何が必要なのか、どんな準備をしておくべきなのか、直前に考えただけでは抜けが出ます。それが今回の全日本学生でも結果として表れてしまったのです。選手だけでなく、人馬のサポートをする馬付きも、記録係も、準備を怠ると、馬にも影響がでます。厩舎の雰囲気が悪い中で、馬たちがリラックスして演技できるわけがありません。馬のことを最優先に考え、日々の活動をしてほしいと思っています。
私は、今大会が終わってから目標である18連覇までの道のりを再構築しています。思った通りにいかないのが勝負です。そのことは近年の試合結果から痛感しております。日本大学馬術部が追われている立場であることを理解し、日大の名に恥じないよう、我々は来シーズンも全力で取り組む所存です。皆さま、来年も応援のほどよろしくお願いいたします。
諸岡 慶
昭和31年6月17日三重県生まれ。
昭和54年3月日本大学農獣医学部拓殖学科卒業。同4月~平成8年3月馬術部コーチ。平成16年より同部監督。監督就任以降の馬術部賞歴として平成18年に全日本学生賞典障害馬術競技大会団体優勝(種目優勝)。
平成23年に18年振り18回目となる全日本学生馬術三大大会三種目総合優勝。平成27年には5連覇達成。団体優勝数は135勝を数える。
(有)マツカゼ馬事センター代表取締役社長。(有)TRC乗馬クラブ高崎代表取締役社長。(有)ファーリーアーズ代表取締役社長。(株)湘南馬事センター代表取締役社長。(株)龍翔代表取締役社長。