日本大学馬術部

INTERVIEW

OB・OGインタビュー

INTERVIEW 09

魂を馬に乗せる

野下 由希子

1997年卒

経験を次世代に

2011年に日大馬術部のコーチを託され、今年で9年目になります。専門は馬場馬術。アトランタ、シドニー両五輪の出場経験を持つヘッドコーチの細野茂之さんから指導を打診され、迷わず引き受けました。今後の馬術界を担う若い世代の育成にはずっと関心がありました。当時の日大は馬場馬術の指導者が不在で、だからこそ、競技者としての自分の経験を伝えたい思いが強かったです。
1年目の指導でまず気を配ったのが馬の乗り方。私が海外で習得した基本的な乗り方が日本ではまだ浸透していませんでした。基礎からレベルアップを目指す指導は大変でしたが、今ではほかのコーチ陣にも指導方法が浸透しています。うれしいのは、部員の間でも先輩が後輩にアドバイスする好循環が生まれていることです。

腕を磨いた海外留学

私の家族はみんな馬が好き。父に抱っこされ初めて馬に乗った日のことは幼過ぎて覚えていません。ずっと馬術に打ち込んでいましたが、競技から少し離れた時期もあります。日大松戸歯学部への進学後は勉強に集中するため、馬術部には所属しませんでした。
馬術への熱意が再び高まったのは、よく調教された外国産の馬に乗ったときです。馬術は馬と人の能力を掛け合わせて高度な技を繰り出すスポーツ。自分がもっと上達すれば、この馬の力をもっと引き出せるはず。そう想像したら馬術がぐんと楽しくなり、一念発起して海外留学を決断しました。
大学卒業後、オランダに6年、ドイツに7年滞在。ドイツでトップクラスの厩舎に在籍していた時期には、体力不足の課題を克服するため早朝のジョギングが日課でした。練習に馬の世話、厩舎の掃除などで海外のやり方を吸収する日々。オランダは感覚を比較的重視した指導、ドイツでは馬術を馬学として体系化した教育が実践され、二つの異なる環境の中で知識と腕を磨くことができました。

集大成のアジア大会

競技人生のクライマックスは2006年です。カタール・ドーハで開かれたアジア競技大会馬場馬術競技に出場し、個人で銀、団体で銅メダルの成績を残すことできました。あの大会での緊張を上回る経験はほかにありません。
当時の集中力を例えるなら、「魂が馬に乗っている感覚」。極度に緊張しつつも頭の中は真っ白にならず、冷静な判断ができる。国際大会は日大馬術部の学生たちにもいずれ経験してもらいたいです。私はとても楽しかった。金メダルを狙っていましたが、やれることはやり尽くしたので満足しています。
帰国後、勤務先の八王子乗馬倶楽部でインストラクターをしていた細野さんと出会い、日大馬術部コーチとの二足のわらじが始まることになります。

現在の部員たちへのメッセージ

今は乗馬倶楽部を退職し、家族が経営する歯科医院の副院長を務めながら、週末に馬術部の指導に当たっています。部員には自分で考えて馬に乗る選手に成長してもらいたいです。
馬場馬術の高度で細かな技をいきなり練習するのは、馬の故障の原因となります。基本的な動きを一つ一つ確認し、クリアできたら練習の段階を上げる。できなければまた基本に戻る。日大には優れた馬がそろい、部員の実力も確かなので、全日本学生馬術三大大会・3種目総合の連覇記録の更新は夢ではありません。

野下 由希子1997年卒

97年松戸歯学部歯学科卒業。八王子乗馬倶楽部勤務を経て現在は野下歯科副院長、日大馬術部馬場馬術コーチ。06年アジア競技大会馬場馬術競技個人2位・団体3位、11年国民体育大会馬場競技成年女子馬場馬術競技優勝、12年同成年女子馬場馬術競技優勝。

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