INTERVIEW 06
次は学生じゃない立場で全日本優勝を目指す。
菅原 権太郎
2017年卒
高校からはじめた馬術で国体出場。
中学までは野球をやっていたのですが、ケガをして全力で投げられなくなり、たまたま近くに馬術部のある高校があって「カッコいいな」と思い進学したのが、馬術をはじめたきっかけです。ですので乗馬クラブの経験もなく、はじめた時期も遅いほうでした。
その高校は同期もみんな初心者で同好会のような雰囲気でしたが、放課後に競馬場まで行って毎日練習していたので、国体まで行くことができました。とはいえトントン拍子に行き過ぎてるなと感じていて、よその選手を見ては「ああ、すごく上手いな」と思っていました。
日大に進学してからも同期は入学前から有名な選手ばかりで、みんな下級生の頃から試合に出ていたのですが、自分は3年生になるまで出られませんでした。もちろん出場したい思いはずっとあって、いずれ追い越したいと必死に練習していました。
最後の最後でつかんだタイトル。
それでも卒業間際になるまで全日本のタイトルを獲れず、4年生のインカレ(全日本学生馬術三大大会)でも、同期の沖廣(諒一 VOICE 02)に1位を譲り、自分は2位という結果に終わりました。当時の彼はまさに王者という感じで、人馬ともに勢いに乗って凄かったです。
最終的に全日本学生馬術選手権大会で優勝できたのですが、本当に最後の最後、引退試合だったので本当によかったなと思いました。この大会は部外の馬に乗り純粋に技術だけを競う競技で、当時、監督から部の馬の1/3ほどを任されていたので、その経験が活きたのだと思います。
日大馬術部は馬のレベルが高いところが大きな強みです。監督やコーチが良い馬を集めてくれるので、ライダーが的確に乗れば良い成績につながります。馬場の状態も良く、雨の日も屋内施設で運動ができたりと、練習環境にも恵まれていました。
練習や作業などはもちろん厳しいのですが、半分は女性部員なので和気あいあいとした雰囲気で、試合で勝った時は祝勝会もよくしていましたね。たまに喧嘩はしますが、最後はお互い分かり合って一つの目標に向かっていました。
コーチとして、選手として、全日本での勝利を。
卒業後は日大の職員の方に勧められて、部の近くの生物資源科学部の学生課で働いています。学生の頃は問題ばかり起こして一番怒られていたので意外だったのですが(笑)。同時に馬術部コーチの依頼もいただいたので、現在は出勤前に現役生を指導しています。指導の上手いコーチは他にもいらっしゃるので、私自身は馬の調子を整えたり、基礎的な部分を重視して見ています。
また職員、コーチと並行して競技も続けており、現役生の指導をしつつ自分の練習もしています。練習や国内の大会では大学所有の馬に乗せていただいているので、本当にありがたいです。三足のわらじということで、周りからはよく「大変だね」と言われるのですが、とても充実しています。
今後の目標は、コーチとしてはまず節目の10連覇を達成すること。その後も更に勝ち続けられるよう、手助けしていければと思っています。また、自分自身もっと上を行きたい、上手くなりたいとの思いで選手を続けているので、今度は学生じゃない立場で、全日本と名の付く大会での優勝を目標に練習に励みます。
現在の部員たちへのメッセージ
日大の馬は本当に素晴らしい能力を持っていますが、勝ってもおごらず、謙虚な気持ちを忘れないでもらえればと思います。勝つとどうしても「自分は上手いんだ」という気持ちになりがちなのですが、監督が馬を揃え、コーチがアドバイスしてくれ、練習環境を用意してもらっている、その感謝の気持ちをいつまでも大事にしてほしいですね。もちろん、学生生活を送らせてもらっているご両親にも。
また、今は乗り役もレベルが上ってきて、レギュラー争いも激しいですが、普段は仲が良くても、今後ともそこはバチバチに競い合ってもらいたいですね。
菅原 権太郎2017年卒
生物資源科学部動物資源科学科卒業。現役時代は全日本学生選手権大会個人優勝をするなど数々のタイトルを獲得。現在は生物資源科学部職員として勤務しながら、馬術部コーチとして学生の指導を行い、並行して競技生活を続けている。16・17年 総合馬術海外チーム派遣メンバー、16年 第88回全日本学生馬術選手権大会 優勝(馬場・障害)、17年 CIC 1スター Pattaya 2位。